こちらのワークショップでは毎日5名以上の障害者スタッフが出勤し、様々なグッズの製作にあたっています。
①トートバッグ
トートバックのデザインは全てワークショップで働いている障害者スタッフが描いています。
デザインは毎日描いているので、その数は無限大!
数あるデザインの中からユニークなものやトートバッグに良く合うモノを厳選し、それを本部スタッフがパソコンに取り込み
イラストツールを使いに専用の紙に印刷を行います。
そして障害者スタッフが全ての作業工程を1枚づつ手作りで商品を完成させています。
製作工程
イラスト検討
商品のイラストの殆どは、カフェで働く障害者の考案によって生み出されています。
一部ですが、中には予めイラストが決めてあり塗り絵だけして完成させるモノも御座います。
しかし殆どのモノが上記写真のようにひとつ一つ考え抜かれた芸術作品になります。
そして彼ら彼女らによって生み出された作品を本部スタッフ含めた皆で検討し、どれを商品に使用するか決めていきます。
イラストレーターを使った作業
障害の程度にはよりますが、人によっては簡単なパソコン作業であればこなすことができます。
難しい作業の場合はスタッフがサポートしています。
こういった作業を一緒にこなすことで、障害者のできる仕事の幅を広げています。
転写準備
トートバッグに転写する専用紙にデザインを印刷し、そこにインクを馴染ませる専用のパウダーを振り掛けます。
パウダーは多くつけすぎても少なすぎてもダメで、適切な量を見極めながらデザイン全体に満遍なく広げていきます。
転写
高温にしたプレス機にトートバッグと準備したデザインをセットし、所定の時間をプレスしてトートバックにデザインを転写します。
転写が出来上がればプレス機から取り出し、デザインが綺麗に転写されているのか途切れがないかなど確認しながら、丁寧に剥がして完成します。
②マグカップ
こちらのマグカップのイラストも全て障害者スタッフが描いています。
取り扱っている商品の中でもマグカップは特に人気の商品で、毎日沢山のお客様から注文が入りセルビア国内に発送しています。
その他にもカフェに併設されている直営店にも沢山のお客様が足を運んで下さっています。
製作工程
イラスト準備
イラストを描くのはトートバックと同じです。
マグカップに転写するイラストを専用用紙にプリントをして、それを一枚ずつカットする作業から始まります。
この作業は特別難しい作業ではないので、様々な障害レベルの方で対応が可能です。
転写工程
切り取ったイラストをマグカップに位置合わせを行います。
実際に計測して貼り付けるような細かな作業ではないので、この工程も比較的どなたでも行うことができます。
注意点としては「イラストを反対に貼ってしまったり、位置合わせが大きくズレたり」すると、見栄えに影響が出ます。
焼き付け工程
マグカップ製作工程で一番重要なのはこの焼付け工程です。
先程のイラストを貼り付けたマグカップを専用機器にはめ込み、高温で一気にプレスします。
プレスをしてからすぐに完成するのではなく、約1分程ホールドした状態にします。
すると、マグカップにイラストが綺麗に貼り着きます。
この工程は少し危険な工程でもあるので、比較的障害程度が軽い方であったり、作業をよく理解できている方がメインで行います。
最終の箱詰め工程
プレス機でイラストを焼き付けたら、いよいよ最終工程です。
先程のプレス機からマグカップを取り出し、熱を十分に冷ましてから丁寧にイラスト用紙を剥がしていきます。
この時にマグカップにしっかりイラストが貼り付いているのか見極める作業が入ります。
焼付け工程は規定時間をタイマーで管理しているので、基本的に不良率は殆どありません。
しかし稀に隙間ができたりで、イラストの一部の貼り付きが悪いことがあります。
それをこの工程で見つけて、貼り付きが甘ければ再度プレスし直します。
問題なく貼り付けが出来れば、出荷準備に取り掛かります。
そして最後に全てのマグカップを一つずつ専用の箱に入れていきます。
これでマグカップ製作工程は終わりです。
③T - シャツ
Tシャツはよく売れる人気商品です。
Tシャツ製作も障害者スタッフ達が全てイラストを手がけています。
この商品はトートバックと若干製作工程が似ているのですが、サイズやカラーバリエーションも多数ある為、少し作業工程の難易度が上がります。
しかしチャイルズハートの障害者スタッフ達は、何度も勉強を重ねているので多くのスタッフがこの作業をこなしています。
製作工程
Tシャツのシワ伸ばし
イラストをTシャツに転写する前に、シワ伸ばしを行います。
先ず商品にするTシャツのサイズとカラーを選びます。
この時は「大人の女性:Sサイズ・ホワイト」をチョイスし、それの作業に取り掛かりました。
そしてプレス機の温度を高める為にスイッチを入れ、100度まで上がるのを待ちます。
その間に、プレスした際にTシャツが焼けないように上に半紙を広げます。
規定の温度まで上がれば、先程の半紙を敷いたTシャツを一気にプレスをします。
感覚としてはTシャツをアイロン掛けしている理屈と同じです。
これでイラストを転写する箇所のシワが綺麗になくなります。
パウダープリント
Tシャツに転写するイラストが決まったら、専用用紙に印刷を行います。
印刷した段階ではインクが乾いていないので、このインクが乾く前に専用のパウダーを振りかけます。
パウダーがイラスト全体に行き渡るように、何度も丁寧にこの作業を繰り返します。
転写
パウダーをしっかり塗したTシャツに、シワ伸ばしで使用した半紙を再度被せます。
ここでの注意点として、イラストによっては向きが分かりにくいモノがあり、稀に逆さまにしてプレスしてしまうことがあります。
逆さまに転写した製品は販売できないので、十分に向きを注意しながらの作業になります。
そしてプレス機の温度100度を確認した後にプレス機で一気に挟み込み、約100秒その状態を保ちます。
この際、プレス機は高温になっている為、遊び手に気をつけて持ち手のハンドル位置に両手を添えてホールドします。
最後の工程
プレス機での作業を終えた後、最後の工程に入ります。
火傷に気をつけながらTシャツをプレス機から取り出し、完全に冷えてしまう前にイラスト用紙を捲ります。
どの商品の工程でも同じになりますが、捲る時にイラストが転写されているのか十分に注意しながら捲っていきます。
不良品率は高くないので、殆どの商品が一発で転写できています。